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第五分室へようこそ!早速続きを始めたいと思います。

天の岩屋戸
怒りの余り、天照大神は天の岩屋戸に篭り隠れてしまった。
そのため高天原も葦原の中つ国*1 も、悉く闇に閉ざされてしまった。
常に夜の世界は、騒々しく禍禍しい災いが頻繁におこり、
困り果てた八百万の神は天の安の河原に集まり話し合いをもった。
多くの神々が頭を悩ませている中、高御産巣日神の子 思金神=おもいかねのかみ が妙案をだした。
まず
常世の長鳴鳥=とこよのながなきどり*2 を集めて、鳴かせ、
次に
天の安の河の川上の天の堅石と天の金山の真金とで
鍛人天津麻羅=かぬちあまつまら と 伊斯許理度売命=いしこりどめのみこと に命じて、
鏡を作らせた。
次に
天兒屋命=あめのこやねのみこと と 布刀玉命=ふとだまのみこと に命じて、
天の真男鹿の骨で占いをさせた。
次に
天の香山の五百箇真賢木=いおつまさかき を根ごと掘り出して
上の枝に八尺の勾玉の五百箇の御統の玉を取り付け
中の枝に八咫鏡=やたのかがみ*3 を 取り付け
下の枝に木綿と麻を取り付け
この種々の物を布刀玉命が捧げ持った。
次に
天兒屋命が太御幣=ふとみてぐら を捧げもち、祝詞を申し上げた。
そこで、戸の影に天手力男神=あめのたじからおのかみ が隠れ
天宇受売命=あめのうずめのみこと が
苔や蔓草や笹などを身体に飾り付け、胸も陰もあらわにして、
足を踏み鳴らして踊った。
その様子に八百万の神々は声をあげて笑った。

外の余りの賑やかさに不信を覚えた天照大神は岩屋戸を細く開けて様子を伺い、尋ねる。
「私が居なくて、さぞ困っているだろうと思っていたのに、この賑やかさは何事???」
天宇受売命が(打ち合わせ通り)答える。
「あなた様よりも貴い神がお見えになったのです。」
そこにすかさず天兒屋命と布刀玉命が鏡を向けると
天照大神はそこに映った自分の姿をその神だと勘違いしてしまう。
そしてもっとよく見ようと、岩屋戸の隙間を広げた所に、
すばやく手力男神が手をさし入れて、力任せに開け放ち、天照大神の手をつかんで引っ張り出した。
その後、岩屋戸の前にはしめ縄がはられ出入りを禁じたので
二度と世界が闇に閉ざされることはなかった。

八百万の神は須佐之男命に千位の置戸を負わせた後、髭をきり、手足の爪を抜いて、
高天原から追放した。

*1、地上の国
*2、にわとり
*3、咫(あた)とは成人が手を広げた時の親指から中指までの長さ。
八は例の如く、大きいという意味合いがあるので、八咫鏡とは大きな鏡と言う事。

有名な天岩戸の神話ですね^^。
この話は日食にたとえられる事が多いようです。
また隠れるということは貴人のなくなった時によく使う言葉なのでアマテラスの死とも結び付けられる事もあるようです。
一度死んだ神がまたよみがえる・・・世代交代があったと捉える考え方もあるようです。
と、言う事は卑弥呼が死んだ年に日食があったことを考えると、
卑弥呼→台与の代替わりの話・・・とも想像できます。
とても有名な話なのに実は何もわかってはいないようなきがしませんか?^^
ここに出てくるアメノコヤネとフトタマシキはそれぞれ中臣氏と忌部氏の祖先神にあたります。
どちらも神道を祭る家柄ですが、
常にアメノコヤネはフトタマシキよりも重要な役どころを演じているようです。
これは、その当時の藤原(中臣)氏が忌部氏よりも優勢な立場にあったことを物語るように思えます。
また「古事記」編纂に藤原氏が深く関わっていたと考えてもいいのではないでしょうか?
(この当時だと、不比等の時代ですね。)
ちなみに「古語拾遺」では忌部氏が優位に描いてあるようですが・・・
ほんで、またまた余談・・・(^^ゞ
一つ目はオモイカネの神!何でも知ってる神・・・思う金属・・・ふっ( ̄ー ̄)
これはコンピューターのことでは!!って飛躍しすぎ??
二つ目はアメノウズメのストリップ!?
ストリップを喜ぶと言えばやっぱり男では??(一部の人をのぞいて・・・)と思うのですが・・・
と、するとやっぱりアマテラスは男??ん〜!?たんに賑やか好きというだけかな・・・?
今この天の岩屋戸は鹿児島県と宮崎県の二県にあります。
(私が知らないだけで、まだまだあるかも)
ところで、スサノオが追放されるときに「千位の置戸」を負わされますが、
これは穢れを払うために 多くのお供え物を台の上に置いた物で、
これを背負わされたという事は、色々な物を持たされて追い出されたということになります。
また髭を切る、手足の爪を抜くという事は、神としての力を奪われたことを示しています。

五穀の起源
追放された須佐之男命は葦原の中つ国に向かう途中で食物を請いに
大気都比売神=おおげつひめ の処によった。
彼女は鼻・口・尻 等から種々の穀物を取り出し、歓迎したが
須佐之男命はそれをわざと汚して出していると勘違いし、
怒りに任せて、彼女を殺してしまう。
その後殺された大気都比売神の身体の
頭から・・・蚕が
二つの目から・・・稲が
二つの耳から・・・粟が
鼻から・・・小豆が
陰から・・・麦が
尻から・・・大豆が
それぞれ、生えてきた。

そこで、大気都比売の母神の神産巣日神がそれらをとって、種とした。

この話は日本書紀の一書では月夜見尊(つくよみのみこと)と保食神(うけもちのかみ)の話になっています。
まったく同じエピソードが違う神によって語られているのです。
オオゲツとウケモチは同じ食物を司る神ですが、スサノオとツクヨミでは全然違いますよね。
このあたりで、私はスサノオ=ツクヨミ同一神説を主張したいわけなんです。
ちょっと根拠としては 弱いですけどね^^;。
この女神の死体から五穀(作物)が生まれるという説話は世界中にあります。
何処の国も決まって死体なんですよね・・・不思議と・・・
しかし・・・ここでも不思議なのは
母を思って泣くほどのスサノオが問答無用でオオゲツを殺害してしまっている所です。
あまりにも性格の描写が違いすぎると思うのですが・・・
どう思われますか?

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