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第二十二分室へようこそ!どうぞお付き合いの程よろしくお願いいたします。

景行天皇

1、后妃皇子女
大帯日子淤斯呂和気天皇=おおたらしひこおしろわけのすめらのみこと は
纏向の日代宮(まきむくのひしろのみや)*1において、政を行なった。
この天皇と若建吉備津日子=わかたけきびつひこの娘、針間の伊那毘能大郎女=はりまのいなびのおおいらつめとの間に誕生した御子は
櫛角別王=くしつぬわけのみこ
次に
大碓命=おおうすのみこと
次に
小碓命=おうすのみこと(またの名は倭男具那命=やまとおぐなのみこと)*2
次に
倭根子命=やまとねこのみこと
次に
神櫛王=かむくしのみこ

また八尺の入日子命=やさかのいりひこのみことの娘、入日売命=いりひめのみこととの間に誕生した御子は
若帯日子命=わかたらしひこのみこと
次に
五百木の入日子命=いおきのいりひこのみこと
次に
押別命=おしわけのみこと
次に
五百木の入日売命=いおきのいりひめのみこと

また、ある妾との間に誕生した御子は
豊戸別王=とよとわけのみこ
次に
沼代郎女=ぬなしろのいらつめ

また、ある妾との間に誕生した御子は
沼名木郎女=ぬなきのいらつめ
次に
香余理比売命=かごよりひめのみこと
次に
若木の入日子王=わかきのいりひこのみこ
次に
吉備の兄日子王=きびのえひこのみこ
次に
高木比売命=たかぎひめのみこと
次に
弟比売命=おとひめのみこと

また日向の美波迦斯比売=ひむかのみはかしひめ との間に誕生した御子は
豊國別王=とよくにわけのみこ

また、針間の伊那毘能大郎女の妹、伊那毘能若郎女=いなびのわかいらつめとの間に誕生した御子は
眞若王=まわかのみこ
次に
日子人の大兄王=ひこひとのおおえのみこ

また倭健命=やまとたけるの曽孫、須売伊呂大中日子王=すめいろおおなかつひこ
の娘、訶具漏比売=かぐろひめとの間に誕生した御子は
大枝王=おおえのみこ

この天皇の御子のうち、
若帯日子命=わかたらしひこのみこと
倭健命=やまとたけるのみこと
五百木の入日子命=いおきのいりひこのみこと
の三柱は太子(ひつぎのみこ)*3の名をもらっている。

*1、奈良県磯城郡
*2、後のヤマトタケル
*3、現代でいう皇太子のようなもの
三人のうち実際に天皇になったのは、若帯日子のみ(成務天皇)

2、大碓命=おおうすのみこと
ある日天皇は三野国造(みののくにのみやっこ)*1の祖、大根王=おおねのみこの娘、
兄比売=えひめ
弟比売=おとひめ
が非常に美しいとの噂を聞き、宮に召抱えようと考え
大碓命を使いに出し二人の乙女を連れてくるように命じた。
しかし二人の余りの美しさに大碓命は天皇に渡すのが惜しくなり、自分の家に連れ帰り 自分の妻にしてしまった。
そして、宮には偽者を連れていき天皇に差し出した。

天皇はすぐに偽者と気付いたが、何もいわなかった。
偽者の女はまったく無視されてしまい、その後大変苦しい日々を過ごすこととなった。

さて
大碓命と兄比売の間に誕生した御子は
押黒の兄日子王=おしぐろのえひこのみこ
また
弟比売との間に誕生した御子は
押黒の弟日子王=おしぐろのおとひこのみこ

この天皇の御世には
田部(たべ)*2
東の淡水門(あづまのあわのみなと)*3
膳の大伴部(かしわでのおおともべ)*4
倭の屯倉(やまとのみやけ)*5
を定めた。

また坂手池*6を作りまわりに竹を植えた

*1、現在の美濃の国
*2、朝廷用の食材を作る役目を申し付けられた一族
*3、神奈川県三浦御崎と千葉県安房との間の海門
*4、朝廷専門の料理人を出す一族
*5、田部が米を作る土地、ここでの収穫は全て朝廷の物となる
*6、奈良県磯城郡

この景行天皇の項は本人のことは系譜と女がらみの事件(苦笑)のことくらいしか載ってなくて、 ほとんどは小碓命(ヤマトタケル)の事に裂かれています。
ヤマトタケルといえば多分日本人のほとんどが「あ〜!あの人」と言うくらい有名人ですよね。 日本神話において最初に出てくる人間のヒーローだと思います。
景行天皇は相当な女好きでまた非常に懐疑的・冷徹な人間だったようで、余りよい事は 伝わってないような気がします。
ただヤマトタケルを正統視する為に、悪人に仕立て上げられたのかもしれないなぁ・・・何てことも思ってしまいます・・・(^^ゞ

さて、このページはちょっと早めに終わってしまったのですが、このあと長々とヤマトタケルの事跡が続きますので、とりあえず区切りと言う事で・・・(^.^)

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